2016年に大ヒットした映画『この世界の片隅に』。
戦時中の生活について描かれたた映画ですが、ほんわか温かい気持ちになれるシーンもあり、とても人気ですよね。
しかし、少し解釈が難しいシーンも多く、ストーリーを理解しにくいという難点も。
そこで今回は、最後(ラストシーン)の子供が誰なのかや、すずが子供を養子に迎え入れた理由を考察したいと思います。
目次
映画『この世界の片隅に』あらすじ
まずは、映画のあらすじをご紹介いたします。
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。
(引用:http://cinefil.tokyo/_ct/16988179)
映画『この世界の片隅に』最後の子供は誰?
映画の最後では、すずが落としたおにぎりを拾ったことをきっかけに、すずは一人の子供に出会います。
ラストシーンで登場した子供は誰なのでしょうか?
ネットを見ていると、
- 最初に登場した座敷わらし
- リンの子供
といった憶測が飛んでいますが、そのいずれでもありません。
最初に登場した「座敷わらし=リン」であることは映画中で描かれていますし、地理的に考えてリンの子供というのも無理があるでしょう。
この子供については、”誰の子供か”については描かれておらず、あくまで広島の原爆投下によって母親を失った戦争孤児であるという設定のようです。
この子供の母親は、原爆投下の際に飛ばされてきたガラス片で瀕死の重傷を負ってしまい、母親はしばらく子供の手を引いて歩きますが、力尽きて亡くなってしまいます。
子供はそれでも母親に寄り添いますが、腐敗していく母親を見て、その場を離れ、焼け野原となった広島の街をさまよいます。
そこで出会ったのが、すずと周作なのです。
子供は、すずの腕を見て、原爆で同じく腕を亡くした母親とすずを重ね合わせます。
2人はこの子供を養子として迎え入れることを決め、呉へと連れて帰り、北条家は家族皆でこの子供を育てるようになります。
映画のエンドロールでは、この子がすくすくと育っていく様子が描かれています。
映画『この世界の片隅に』すずが養子に迎えた理由はなぜ?
では、すずが子供を養子に迎えたのはなぜなのでしょうか?
その理由は3つ考えられます。
すずが子供を養子に迎えた理由①晴美と重ね合わせたため
すずは、自分に懐いていた義姉の娘・晴美と出かけた際、時限爆弾(不発弾)に巻き込まれます。
その際、晴美は命を落とし、またすずも片腕を失ってしまいます。
すずは、晴美を守れなかった自分を責めるようになります。
すずの命が助かった理由として、時限爆弾とすずの間に晴美がいたためだという解釈もでき、すずは晴美とこの子供を重ね合わせて養子に迎え入れることを決意したのではないかと考えられます。
すずが子供を養子に迎えた理由②すずの優しさ
すずは子供の頃、祖母の家で昼寝をしていた際、座敷わらしの女の子(リン)と出会います。
リンは屋根裏に潜んでおり、縁側にあったスイカを食べていました。
すずはリンに警戒することもなく、さらにスイカを持ってこようか尋ねます。
また、リンのために自分の着物を与えようとするシーンも描かれており、子供の頃からのすずの優しい性格から、戦争孤児を放っておけなかったものと思われます。
すずが子供を養子に迎えた理由③伏線の回収
こちらについては、すずが養子を迎え入れた直接的な理由とは少し違いますが、伏線を回収するために描かれたシーンだという見方もあります。
作中ですずが、妊娠を思わせるシーンが描かれますが、実は勘違いで、実際には妊娠していませんでした。
また原作では、リンと話す場面で「跡継ぎを生むことが嫁の義務だ」という会話をしており、その義務を果たすために女の子を養子に迎え入れたとも考えられます。
これらのシーンが、ラストで戦争孤児を引き取る伏線になっているという解釈があります。
まとめ
大ヒット映画『この世界の片隅に』の最後の子供は誰なのかや、すずが子供を養子に迎え入れた理由について、考察してみました。
非常に辛いシーンも多い映画ですが、一方ですずののんびりした性格に癒やされたという声も上がっており、その絶妙なバランスが人気の理由なのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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